「元「中の人」がおすすめする格安SIMはこれだ!その1」では、「そもそも格安SIMとは何ぞや?」「格安SIMを契約しないほうが良い人、したほうが良い人」「格安SIMのデメリット」「格安SIMのデメリットに対する対応策」を説明した。
また、「元「中の人」がおすすめする格安SIMはこれだ!その2」では、「格安SIMのメリット」「安さ以外の格安SIMのメリット」「先人達の評価・紹介方法」を説明した。
まだ読まれていない読者は以下を参考にしていただければと思う。
格安SIMをご存知だろうか?4年前頃までだと「格安SIMって何?」「格安なSIMってこと?」「そもそもSIMって何?」「SIMって食べ物?」「つまり格安な食べ物ってこと?」といった疑問を持っていなかった、とは思うが、まぁ、そもそも日本ではSIMという言葉はあまり世の中に広く知られていない。これが海外だと、SIMがほしい、というだけで何処に行けばよいか教えてくれる程、広く知られている。これは、海外では昔から、携帯電話本体とSIMである通信チップ(通信するために必要な情報が書き込まれているチップ)が分離して販売されていた... 元「中の人」がおすすめする格安SIMはこれだ!その1 - 旅とガジェット |
「元「中の人」がおすすめする格安SIMはこれだ!その1」では、「そもそも格安SIMとは何ぞや?」「格安SIMを契約しないほうが良い人、したほうが良い人」、「格安SIMのデメリット」、「格安SIMのデメリットに対する対応策」を説明した。まだ読まれていない読者は以下を参考にしていただければと思う。今回のその2では、格安SIMのメリットは何であるかを列挙するところから始めたい。「いやいや、前回の最後でおすすめの格安SIM会社を紹介したのだから、その理由だけ教えてほしい」「もしかして、おまえはどこかの会社のまわしものなんじ... 元「中の人」がおすすめする格安SIMはこれだ!その2 - 旅とガジェット |
今回が第三回目、ついについに完結編である!
副題として、
「さらば、格安SIM!おまえは何を求めて旅立つのか~~~~~」
と2回目の最後に予告編として言ったが、今回の完結編の内容とは全く関係がないのでご了承いただきたい。
勿論、
「それじゃあ予告編になってないじゃないか!」
「やはりこのサイトは布団を買わすのか?」
「格安な布団なのか?それなら買うぞ!!!」
といったクレームや布団に関する問い合わせも一切受け付けないので、そこのところはよろしく。
さて、今回は筆者がおすすめする格安SIMとその理由を説明する。
では、具体的にどこの格安SIMが良いかを選ぶための、筆者が考えるポイントを説明する。
値段については各社ほぼ同じ値段であることを2回目で紹介したので、値段は対象としない。ただし、これはあくまで「格安SIMの標準的価格であること」が前提であるため、その標準的価格を大幅に上回る価格の格安SIMは対象外とする。
確かに一部の格安SIMでは、この標準的価格よりも1,000円以上も高いものも存在するが、それはそれなりのサービスやメリットが存在するためである。つまり、それはもう格安SIMというカテゴリーではないと筆者は考えている。
したがって、格安SIMは安いことが前提条件であるため、値段については選ぶ際のポイントとはならない。
他のポイントとして、通信速度(スピードテストで評価しているあれね)があげられるが、これが重要であることは筆者も疑う余地はない。
ただ、単にスピードテスト結果を鵜呑みにするのではなく、その背後にあるものを評価し、それをもとに判断する必要がある。
スピードテストで評価するのは素晴らしいが、時間・場所・タイミング・携帯端末・格安SIM会社の経営方針 等々、とにかくいろいろな要因で常に結果は変化する。
極端な場合だと、昨日までは早かったが今日は極端に遅く使い物にならない、といったことも普通に発生する。
少し技術的な話をすると、auのコマーシャルで一時期紹介されていた「キャリアアグリゲーション」の条件(1CCとか2CCとか、最近だと5CCってな場合もある)によって、通信速度は劇的に変化する。
まぁ、格安SIMだとキャリアアグリゲーションの状態が影響しないくらい低速な場合が多いのだが、ユーザが少ない時間帯のスピードテスト結果では、この条件によって結果がかなり変化することもまた事実である。
ということで、通信速度は格安SIM選びの際の重要なポイントであるが、それをどのようにして判断するか?そこで筆者のオリジナル理論の登場である。
第1回のブログで少し紹介したことを覚えているだろうか?まだ見ていない読者は第1回目をさらっと確認していただきたい。
第1回のブログで、格安SIM業者はDOCOMO/au/Softbankからネットワークの一部を借りていること、また、この借りる金額がかなりの費用を占めており、この費用をうまく調整することで利益を上げていることを説明した。
筆者はここに注目したわけである。つまり、「この費用を支払わなくても良い、もしくは、支払うが何らかのかたちで特別な調整が入っている」格安SIM会社があるとするとどうだろうか?
費用の大半を占めるネットワークを借りる費用が不要、もしくは、何らかの調整が入っているわけであるから、他の格安SIM会社と明らかな差がうまれるのは間違いない。
これができるのが、DOCOMO/au/Softbankの子会社系格安SIM会社である。(なお、2019年5月3日時点では、DOCOMOの子会社として格安SIM会社は存在しない)
この条件に該当する会社がau系のBIGLOBEモバイルとUQ mobile、Softbank系のLINE mobileの3社である。
ただ、実際に上記で記載したことをこの3社が行っているかどうかは不明であるが、総務省主催の会合では、この点が指摘されていたことも事実であることを考えると、恐らく何かを行っているのであろう。というか、私ならは間違いなく、やる!だって、メリットしか存在しないから。連結決算としているのであれば相殺されるだろうし、外部からは通信キャリア(例えばau)のネットワーク設備構築費用としか見えないだろう。
いずれにしても、この3社は他の格安SIM会社よりもネットワークに関しては優位な立場であると言える。つまり、通信速度というポイントに関してはこの3社が最強であると筆者は考えておりおススメである。
なお、Y!mobileについては格安SIMとして取り扱われることが多いが、筆者は格安SIMとしては考えていない。価格設定が異なるのが一番の理由である。一言でいうと、高くもなく安くもない、である。
ただし、この価格帯に唯一存在するのがY!mobileのみであるのもまた事実であり、Softbank全体の解約率を低く抑えているのがY!mobileであるとも言われているとかいないとか。
いずれにしても、ポイントの1つ目は
「通信キャリア系子会社」
である。
実際、この3社のSIMを筆者は契約したことがあるが、どこも快適な通信速度であったことを記憶している。ただし、注意いただきたいのが、対応する親会社の回線を契約すること、である。例えば、au系のBIGLOBEモバイルでDOCOMO回線の格安SIMを契約しても意味がない。
次のポイントであるが、「インフラの運用方法を知っている会社」である。
例えば、電気・ガス・水道は代表的なインフラであり、固定電話やインターネット、携帯電話のネットワークもインフラである。
これらインフラの運用方法を知っている格安SIM会社が正直少なすぎるのである。
格安SIM会社といえど、通信インフラに携わっている会社である。それなのに対策が全く講じられてない会社が実に多く存在している。
そのような会社のSIMを使っても良いのであろうか?実に不安である。
なお、先ほどのポイント1であげた会社は、通信インフラを運用している通信キャリアの子会社であるため、インフラの運用方法は知っているはずである。というか、知っていてほしい。
因みに、通信インフラの運用方法を知っているかどうかを簡単に把握するためには、
「輻輳(ふくそう)とは何ですか?」
という問いかけをしていただきたい。実は結構な方が間違えた認識をしていることに驚く。
単純に混雑している状態、という回答をする方は通信インフラ運用の素人と言っても過言ではない。このように回答する方が多いのなんのって。
単純に混雑しているだけであればあまり問題にならないんですわ。それが時間とともに拡散していく、つまり、混雑が混雑をよび、それがいつまでもどこまでも広がっていくことが問題、つまり輻輳なのである。
この輻輳についてはいろいろ研究されており、輻輳のパターンによってどのような対処をする必要があるか、輻輳を収束するためにはどのような対策をする必要があるか、等々が数学的に導き出されている。
と少し話が横道にそれてしまったが、つまりはインフラの運用方法を知っている格安SIM会社が、筆者がおすすめする会社である。
これに該当する会社がIIJmioとmineoの2社である。
IIJmioとは、IIJという会社の格安SIMのブランド名であるが、IIJという会社は一般的にはあまり知られていないであろう。しかし、業界ではかなり有名で、日本でかなり初期に商用サービスを開始したインターネットサービスプロバイダでもある。もしかすると読者の所属されている会社の社内インフラはこのIIJが請け負っている可能性がある。
また、この会社は「中の人」が格安SIMもしくはMVNOとは何ぞや?を定期的に丁寧に説明していることでも有名である。その中で、通信設備(具体的にはパケットコアノード)を2拠点(恐らく東京と大阪か?)に設置し、何らかの障害や災害が発生した際にもどちらかの通信設備でサービスを継続することができるようにネットワークを構築している、と紹介している。
正直、格安SIM会社でこのような構成を組んでいる会社はかなりの少数派である。
また、通信速度についても一番早いというわけではないが常に安定している。帯域調整にこなれているといったところであろう。
さらに、このIIJは他の格安SIM会社にネットワークを提供しており(MVNEという)、そのことからも通信インフラの運用方法を知っている会社と言っても間違いないであろう。
次にmineoであるが、この会社、関西電力の100%子会社の会社である。当然、インフラの運用方法は知っているはずである。また、関西電力は昔からインターネットサービスプロバイダとしてのサービスも積極的に行っており、関西ではeo光というブランド名で知られている。
また、電力系会社は昔からKDDI(au)とのつながりが強く、やはりmineoもau回線の格安SIM会社の先駆者としての地位を確立している。一時期は、auから乗り換えるならmineo(au回線)一択とまで言われていたほどである。
つまり、この2社については、通信インフラである携帯電話ネットワークを「きちんと」運用している会社であると言えるのである。そして、通信速度については、最速ではないが常に安定している状況である。これも「きちんと」運用している証拠であると考えられる。
以上より、筆者がおススメする格安SIM会社を最後に列挙したい。それぞれの公式サイトのリンクも併せて掲載している。
なお、下記の順番は特に理由はなく、あくまで同列であることに注意いただきたい。つまり、下記の格安SIM会社から読者に合った会社を選んでいただければと思う。
例えば、ANAの陸マイラーであれば、GポイントがたまるBIGLOBEモバイルや、LINEポイントがたまるLINE mobile、
LINEの年齢認証が必要であればLINE mobile、
複数のSIMを安く所有したい場合はIIJmio、
等々、どれが自分にとってベストな格安SIMであるかは、最後は読者にいろいろ調べていただく必要がある。
1.BIGLOBEモバイル(au回線)
2.UQ mobile(au回線)
3.LINE mobile(Softbank回線)
4.IIJmio(DOCOMO回線)
5.mineo(au回線)