格安SIMをご存知だろうか?
4年前頃までだと
「格安SIMって何?」
「格安なSIMってこと?」
「そもそもSIMって何?」
「SIMって食べ物?」
「つまり格安な食べ物ってこと?」
といった疑問を持っていなかった、とは思うが、まぁ、そもそも日本ではSIMという言葉はあまり世の中に広く知られていない。
これが海外だと、SIMがほしい、というだけで何処に行けばよいか教えてくれる程、広く知られている。
これは、海外では昔から、携帯電話本体とSIMである通信チップ(通信するために必要な情報が書き込まれているチップ)が分離して販売されていたためであろう。
さて、皆さんは既にご存知かと思うが、改めて格安SIMが何であるか説明する。かなり語弊があるが、一般の人にはこれから説明する内容が一番簡単で分かりやすいと思われる。
格安SIMは、
携帯電話料金を安くすることができる”であろう”契約
断定を避けるために”であろう”という言葉を使ったが、実際、使い方によっては、現在の携帯電話料金よりも高くなる可能性がある。
ということで、本記事は超大作でかな~~~り長いので、この時点で読者の対象者を絞っておく。下記のうちの1つにでも該当する方はこの記事は役に立たないので、別の記事を見ていただければ幸いである。
といった方がいないことを筆者としては期待したいところだが・・・。
真面目に話しをすると、格安SIMを契約しないほうが良い方は、以下のように携帯電話を使う人だ。
簡単に言うと、
(LINEやSkypeといった無料通話ではなく)電話番号を用いた電話を頻繁に行う人や、動画やデータダウンロードをWiFi環境がない外において頻繁に見たり落としたりする人は、格安SIMに変更すると、携帯代が高くなったり、今まで見れていた動画が見れなくなったりする可能性が高いので、DOCOMO、au、Softbankの携帯を使うほうが良い。
逆に、格安SIMを契約したほうが良い、つまり、筆者がおすすめする方は以下のような方だ。
上記を見ると、「じゃあ、メインで使用する携帯電話を格安SIMにすることはお勧めしないのか?」という疑問が出てくる可能性があるが、そうではない。実際、筆者の携帯は格安SIMにしてかれこれ5年ほど経過しており、それをメインで使用している。何なら、その携帯を使って動画を見ることもたまにある。
つまり、格安SIMはメインの用途として十分に使用可能であることを強くお伝えしたい!!!
ただし、上記に記載したが、携帯代が安くなるというメリットに対して、”ある程度”のデメリットが存在する。
巷では、格安SIMにして不便になった、という声を聞くことがあるが、そんなもん、当たり前ですわ。安くなっているのには理由がある。これまでと同等というわけにはいかない。
メリットは「携帯代が安くなる、しかも、かなり(人によっては半額以下)安くなる」であることは間違いないが、では、デメリットは何かを以降で明確化したい。
一番のデメリットは、
格安SIMという名前が何か「ちゃっちい~~~」!
・・・いや、これマジですよ。実はこの「格安SIM」というネーミングのせいで、
「格安SIMって”格安”ってつくぐらいだから、携帯として全く使えないんじゃないの?」
とか、
「頻繁に通話や通信ができなくなるんじゃないの?」
といった印象を持っている方も実際存在する。名前がいけてないんですわ。
じゃあ、どんな名前が良いのか?思いつく方はぜひぜひ総務省に提案いただければと思う。
と、本当の(いやいや、上の話も本当ですよ!)デメリットを以下に示す。
その他、細かいデメリット挙げればきりがないが、概ね上記内容である。
少し話しが逸脱するが、最近、格安SIM会社も店舗を出すようになっているが、DOCOMO、au、Softbankショップに比べると圧倒的にお客さんが少ない。特に大規模なショッピングモールにこれらショップが存在する場合、DOCOMO>au>Softbank>>>>>>格安SIM の込み具合であることが多い。元、格安SIM業界に関わっていた筆者としては少し寂しい気がするが、それが現実である。やはり、格安SIMは「怪しい」んですわ。
これは確認していないので筆者のあくまで勝手な想像だが、上記デメリットを殆ど告知せず、格安SIMは安いこと”のみ”を全面的に押し出している感が否めなく、それが怪しさをかもし出しているのではないだろうか。
さて、上記デメリットを見てどう思われたであろうか?
「何かめんどくさそう」
「危険なかおりがする」
「入るときは安いが、後から高額料金を請求されそう」
「やはり、格安SIMって何なの?」
と思われた方もいるだろう。
正直、一般の人にはわけがわからないのは間違いない。
そのため、まずは、周りの友人や知人で既に格安SIMを使っている方に聞いて見ることをおすすめする。
ただ、この記事を最後まで読んでいただける方には、筆者が丁寧に説明したいと思う。ただ、正直、説明が抜けてしまう箇所もあろうかと思うが、その場合は都度、この記事を更新していこうと思う。
さて、上記で示したデメリットについて、筆者がどのように対応しているかを記載する。
と、全てのデメリットについて、実は比較的容易に解決できるのである。
「なぁんだ、特にデメリットにはならないじゃないか」と思うか、「これは私には対応できない」と思うかはそれぞれ次第なので、そのあたりの見極めは読者の判断に委ねられる。
ただ、格安SIMに詳しい方が回りにいるのであれば、格安SIMを検討することを強くおすすめしたい。何かあればその方が、これも間違いなく、相談に乗ってくれるだろう。私の場合は間違いなく相談に乗る。というか、1日かけて説明しますよ。なんならマンツーマンで。勿論、友人知人限定だが・・・。
少し整理すると、格安SIMのデメリットとして把握しておくべき項目は、大きく分けると以下の3つ。
3つ目の「サポートが少ない」は、インターネットや友人知人を駆使して対応することが方法であるが、その他2つについてもう少し詳細に説明したいと思う。
一部の格安SIM業者の一部の店舗や担当者では、「DOCOMO、au、Softbankと変わりません」という人もいるようだが、これは全くのでたらめ。100%ありえない。
何故か?理由は以下である。
格安SIM業者は、DOCOMO/au/Softbankからネットワークの一部を借りてサービスを提供しており、その借用費用が事業運営の大半の費用を占めている。
つまり、DOCOMO/au/Softbankのネットワークの”一部”を使用しているため、これらと同等ということはありえない。同等とするためには莫大な費用(年間数100億円規模)が必要となる。
ただ、100%ありえないわけではないが、このことについては総務省と格安SIM業者との会議の中でも議題にあがっており、明らかにおかしなことは行っていないであろう。(詳細はお伝えできないので概要だけの説明であることをご了承いただきたい。といっても、総務省のサイトである程度は議事録で情報開示されているので、知ろうと思えば知ることは可能である。ただし、我々が分からないところで行われていることについては、さすがに分からない)。経営という点で考えると、まずはありえないと考えてもよい。
が、実はこれを逆手(把握?)にとって格安SIMを選ぶのが、筆者がお勧めする格安SIMの選び方のうちの1つである。詳細は後程お伝えする。
具体的な数字をあげて説明しよう。
先ほどあげた、ネットワークの一部を借りる借用費用、MNVO向け接続料、について、実は各社のHPで公開されている。
2019年4月1日現在では、
DOCOMOから借りる場合は、1Mbpsあたり52,449円/月
auから借りる場合は、1Mbpsあたり61,096円/月
Softbankから借りる場合は、1Mbpsあたり60,628円/月
(別途諸費用が必要だがここでは割愛する)
まぁ、よく分からない方も多いと思うので、少し具体例を挙げて説明する。
まずはMpbsだが、これは通信の速度を示す単位であり、これが大きければ通信速度が速いとなる。100Mbpsとか1Gbpsとか聞くこともあろうかと思うが、そのことである。
もっと具体的にいうと、携帯で動画を見るためには、画質にも依存するが、おおよそ5Mbps程度が必要である。
上記の数字を使うと、動画を見るためには、DOCOMOの場合は
52,449円×5 = 約26万円/月
という、実はとんでもない費用を格安SIM会社がDOCOMOに支払っているのである。
単純計算をしてみると、格安SIMの加入者が100万人、全員が動画を見た場合の費用は、
52,449円×5Mbps×100万人 =約2600億円/月!!!
ありえない!!!
勿論、そんな費用を支払っているわけではない。支払っているとするならば、1年でその会社は倒産するであろう。
では、どういう仕組みで格安SIM会社は利益を上げているのであろうか?
上記の計算では、全加入者が常に動画を見ている仮定で計算した。だが、現実にはそのような状況はありえない。だれかは動画を見ているし、同じタイミングでは全く携帯を使用していない人もいるし、ツイッターでつぶやいている人もいるしで、つまり、その時々で必要なネットワークは異なるのである。
このネットワークのことを「帯域」と言われているが、この必要帯域をうまく計算し調整するのが各格安SIM会社の腕の見せ所である。
これは、IIJの「中の人」が詳しく説明しているので参考となる。
MVNOのサービスは、料金は安くても通信速度が遅いというマイナスイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか。今回はこの通信品質に関わる、MVNOの設備増強工事について紹介します。 MVNOの「設備増強」って何をやっているの? - ITmedia Mobile |
具体的に何をどう借りているのでしょうか? 大手キャリアが使う分が減ってしまうことはないのですか? MVNOが「帯域を借りる」ってどういうこと? - ITmedia Mobile |
この、必要帯域を”うまく”計算する方法について、イメージとして高速道路を思い浮かべてほしい。
因みに、通信のことを例えで説明する方法の1つが、この高速道路を用いた説明方法だ。調べてはいないが、ほぼ間違いなく第一位の説明方法ではないかと個人的に考えている。もうね、何なら高速道路がなかった100年前から、高速道路を例に挙げて説明しているのではないかと思うくらいだ。
・・・さて、その計算方法であるが、高速道路の車線がたくさん存在する場合が「帯域が広い」つまり通信速度が速い状態で、逆に車線が少ない場合が「帯域が狭い」つまり通信速度が遅い状態である。
しかし、車線が1車線しかない場合でも、深夜の交通量が少ない場合はスムーズに運転することができる。逆に、車線が多いとしても渋滞する時間帯であればスムーズに運転することができない。
また、日本に存在する車の数だけ車線を作れば渋滞という事象は一切発生しないが(合流地点等は除く)、現実的に不可能である。東名高速道路を8200万車線(2019年1月末現在)にすることなんて不可能ですわな。これは、先ほどの帯域の計算方法と同じ考え方だ。
つまり、場所によって渋滞しやすい場所とそうでない場所があり、その状況に応じて車線の数を決定するのである。
また、1車線に1台しか運転できないわけではなく(同一車線の前後に全く車が存在しないわけではなく)、複数の車で整列して運転することによって、少ない車線で効率よく運転することが可能である。
ただし、どうしても渋滞してしまう場所と時間帯が存在する。これをできる限り少なくすることを、道路公団等の方々が日々検討しているのである。
ということと同じようなことを格安SIM会社の方々は行っているのである。それによって利益が得られ、かつ、全く使えない(通信速度が極端に遅い)状況を回避することができる。
とは言いつつも、利益を上げるぎりぎりの線で帯域を確保しているため、どうしても渋滞(通信が遅くなる)する時間帯は発生してしまう。これは基本的には解決できない(”基本的”であることを覚えておいてほしい。これも後ほど重要となってくる)。
つまり、
DOCOMO/au/Softbankはこの渋滞の発生確率が極端に低い(一部の場所でしか発生しないし、極力渋滞を発生させないようなネットワークを構築しようとしている)
格安SIMはこの渋滞が朝昼晩とほぼ毎日全国で発生している
という、致命的な違いが存在する。
また、格安SIM会社がDOCOMO/au/Softbankから回線を借りていることを考えると、DOCOMO/au/Softbankで渋滞が発生した場合は、特殊な状況を除き、ほぼ100%格安SIM会社でも渋滞が発生する。
従って、格安SIMはDOCOMO/au/Softbankよりも通信速度が確実に遅いのである。
因みに、先ほどの接続料が把握できたということは、格安SIM会社の財務諸表を分析することで、その会社がどれくらいの帯域を借りているかをある程度推測することが可能である。あとは加入者数が判明すれば、加入者あたりの帯域を推測することができ、この値が高ければ高いほど通信速度が速い会社、つまり、選んでも良い格安SIM会社のうちの1つと考えることができるが、データを収集するのと計算するのがめんどくさいのでやめる。
というか、そんな計算を行って格安SIM会社を選ぶ人なんて全く存在しないわな。でも誰もやっていないということは面白い記事が書けるわけで、今後時間があればやってみたい。
格安SIMの場合でもDOCOMO/au/Softbankでも、基本は30秒20円が基本である。そこに、DOCOMO/au/KDDIであれば通話定額サービスや、5分間かけ放題サービス等を有償で用意している。格安SIM会社でもかけ放題サービスは提供しているものの、完全かけ放題サービスは提供していない。
これが一番の違いである。
DOCOMOの場合は、24時間国内かけ放題を2,700円で提供している(2019年4月10日現在)。これは、1ヶ月あたり1時間程度以上通話をする方にとってはかなりメリットがある。いくらかけても2700円なのである。
先ほどの、格安SIMを契約しないほうが良い人、のところで説明したが、この恩恵を受けている方は問答無用で格安SIMには変更しないほうが良い。
この溝を100%埋めることはできない。しかし、ある程度埋めることは可能である。
LINE等の無料通話アプリを使用する以外の溝を埋める方法としては、格安SIM会社が提供している通話料半額アプリ(費用は無料)を使用したり、IP電話(050の番号が付与される電話サービス)を使用したりすることで、ある程度は抑えることができる。
といっても、1ヶ月に2時間以上使うと、いくら半額だとしても2,400円となってしまい格安SIMの恩恵が薄れてしまう。
また、IP電話については、3分8円程度とかなり格安ではあるが、どうしても通話品質が劣る(声のクリアー度合いは良いが、ぶつぶつと通話が途切れてしまうことが多い)のと、これが実は重要なのだが、110番や119番にはかけることができないのである。
また、最近ではアプリの二段階認証でSMSを使うことが必須となっているものも多く、IP電話ではSMSができないため、やはり080や090、最近では070の電話番号は必要となる。
いろいろと書いたが、通話料金が高い理由は、格安SIM会社が完全かけ放題サービスを提供していないからであって、もうこれはどうしようもない。ただ、いろいろな方法を駆使して抑えることもある程度可能であることを覚えておいていただきたい。
本当であれば、通話料金が高い理由を具体的な数字を出して説明したいところであるが、まぁ原理は通信速度が遅いのと同じであるため、割愛する。決してめんどくさいからではないことを強調したいのだが、やはりめんどくさかったからということを正直にお伝えしておくとする。ごめんなさい・・・。
因みに、IP電話であるが、サービスによっては基本使用料金が0円であるサービスも存在し、それを活用することでかなり安い料金に抑えることができる。まぁ、それがIP電話のメリットであるが、実は筆者はそのようなメリット以外に別のメリットの恩恵を受けている。
それは、海外から日本にかけるときの通話料金と利便性である。
IP電話は普通のインターネット回線を経由してサービスが提供されているため、全世界どこに言っても通信環境さえ存在すれば、同じ電話番号で同じ電話料金で電話をかけたり受けたりすることが可能である。これは、海外で現地SIMを使用している際も面倒な設定変更は一切不要で、いつものように使用できる。勿論、通話遅延が多いので(昔の衛星中継みたいな感じ)少し会話するのにはテクニックが必要である。
しかし、この時点で原稿用紙25枚分程度の記事となってしまったので、本題のおすすめ格安SIM会社は次回とする。
「ここまで読んだのに結論は先延ばしか!!!」
「テレビドラマか!!!」
「欧米か!!!」
っというご意見があると思うので、とりあえず結論をお伝えして次回に望む。
元「中の人」がおすすめする格安SIMは以下である。ある規則に従っているのがお分かりいただけるだろうか?